記事の監修者
山下 裕貴
株式会社日本テレアポセンター 代表取締役
テレアポ・インサイドセールス領域において、スタートアップから上場企業まで多数の企業の営業支援を手掛ける営業代行・テレアポの専門家。
現場視点に基づいた再現性の高いノウハウを活用し、単なるアポイント獲得にとどまらない、成果につながる営業体制づくりを支援している。
「営業代行に依頼したいが契約はどう結べばよいのか」「業務委託と成果報酬は何が違うのか」。営業代行の導入を検討し始めると、聞き慣れない契約の言葉が次々と現れ、比較の手が止まってしまう担当者の方は少なくありません。
実は、営業代行の契約形態は民法に定められた「請負」と「準委任」の2つに整理でき、成果報酬型・固定報酬型という報酬の仕組みもこの2つと対応しています。対応関係さえ押さえれば、各社の契約条件を同じ物差しで比較できるでしょう。
本記事では、雇用・派遣との違いから、請負契約と準委任契約の違い、報酬形態との対応関係、契約書で必ず確認したい4つの条項まで解説します。読み終えるころには、自社に合う契約形態を自分で判断し、安心して代行会社との契約交渉に進められるようになるでしょう。
営業代行の契約形態は業務委託が基本|雇用・派遣との違い
営業代行の契約は、人を雇う雇用でも人材を借りる派遣でもなく、業務委託が基本です。同じ業務委託でも、中身は請負契約と準委任契約の2種類に分かれ、どちらを結ぶかで代行会社が約束する内容も変わります。
以下では、雇用・派遣との違いを指揮命令権の所在から確定させたうえで、業務委託の内側にある2つの契約形態を解説します。
雇用・派遣との違いは指揮命令権の所在
営業代行の契約は、雇用契約でも労働者派遣契約でもなく、業務委託契約に区分されます。3つを分けるのは、営業スタッフへの指揮命令権の所在です。雇用や派遣では指揮命令権が自社(発注側)にあるのに対し、業務委託では代行会社側にあり、発注側は営業スタッフ個人に直接指示できません。
厚生労働省の発表「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」でも、業務の遂行方法を自ら指示・管理することが請負(業務委託)側の要件とされています。
発注側が架電のやり方や勤務時間まで細かく指示する運用は、偽装請負と判断されるリスクを伴うため注意が必要です。つまり、営業代行への依頼は“人を借りる”のではなく“業務の遂行・成果を買う”契約なのです。
営業代行に任せられる業務範囲やサービスの全体像は、別記事で解説しています。詳しくは以下の記事をご確認ください。
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業務委託の2類型は請負契約と準委任契約
業務委託契約は、民法上の「請負」と「準委任」の2つに分かれます。
民法第632条が定める請負は、仕事の完成に対して報酬を支払う契約です。一方、同法第656条の準委任は、業務の遂行そのものを委託する契約であり仕事の完成義務を負いません。営業代行に当てはめれば、請負は“成果を約束する契約”、準委任は“活動を約束する契約”という違いになります。
請負では原則として仕事の完成が報酬の条件になるのに対し、準委任では誠実に業務を遂行していれば、成果の有無にかかわらず報酬が発生する仕組みです。途中解約の場面でも、請負が成果の完成を基準に扱われる一方、準委任では遂行済みの割合に応じた報酬の支払いが必要になります。
成果報酬型・固定報酬型といった報酬形態も、この「成果を買うか、活動を買うか」の違いに沿って分かれています。
成果報酬型・固定報酬型と契約形態の対応関係
成果報酬型と固定報酬型のどちらで契約するかは、営業代行の発注で多くの担当者が迷うポイントです。
この2つの報酬形態は、請負・準委任という契約形態に対応しています。対応関係がわかると「なぜその料金体系なのか」「契約で何を約束してもらえるのか」も読み解けるでしょう。
以下では、成果報酬型、固定報酬型・複合型の順に、それぞれがどの契約類型にあたるのかを解説します。
成果報酬型の契約類型は請負または成果完成型準委任
アポイント獲得や受注といった成果に対して報酬を支払うのが、成果報酬型です。成果の対価として報酬を払う契約は、民法上は仕事の完成に対して報酬を支払う請負(民法第632条)、または成果の引き渡しに報酬を結びつける成果完成型の準委任(同法第648条の2)にあたります。
いずれの場合も成果が出なければ費用は発生しませんが、その分「何をもって成果1件と数えるか」という成果地点の設定が契約の生命線になります。成果地点や承認・非承認の条件があいまいなまま契約すると、請求の段階で発注側と代行会社の認識が食い違いかねません。契約トラブルの中でも起こりやすいパターンのため、成果報酬型を検討する際は、最初に確認しておきたいポイントです。
固定報酬型・複合型の契約類型は履行割合型の準委任
毎月決まった額を支払う固定報酬型は、営業活動の遂行そのものに対価を払う契約です。民法上は、遂行した業務の割合に応じて報酬を支払う履行割合型の準委任(民法第648条)にあたります。
固定報酬型で成果が保証されないのは、契約が約束する対象が成果ではなく活動だからです。その代わり、戦略設計から架電、改善提案まで活動全体を任せられ、トーク内容や架電数などのプロセスがレポートで開示されるため、社内にノウハウがたまりやすい特徴があります。
固定報酬に成果報酬を組み合わせる複合型も、契約の基幹は準委任型です。ただし、成果報酬の部分については、成果地点の設定が別途必要になります。
まとめると、成果に支払う成果報酬型は請負または成果完成型準委任、活動に支払う固定報酬型・複合型は履行割合型の準委任、という対応です。では、実際にいくらかかるのか。固定・成果・複合それぞれの相場金額と損益分岐は、以下の記事で詳しく解説しています。
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営業代行の契約前に発注側が確認すべき4つの条項
請負と準委任の違いがわかっても、契約書レベルのつまずきは残ります。成果の数え方のあいまいさや最低契約期間の見落としは、契約形態の理解だけでは防げません。
認識のずれが起こりやすい箇所は決まっているため、確認すべき条項をあらかじめ押さえておけば、トラブルの大半は契約前に予防できます。どの条項で何を確認するかを、次の表にまとめました。
| 条項 | 確認するポイント |
|---|---|
| 業務範囲 |
|
| 報酬と成果の定義 |
|
| 契約期間と解約条件 |
|
| 秘密保持 |
|
特に、成果報酬型では成果地点の設定、固定報酬型では最低契約期間が発注側のリスクになりやすい条項です。報告内容の確認方法も契約前に決めておくと、請求時の食い違いを防げます。
なお、印紙税の扱いも契約形態で変わります。国税庁の「印紙税法基本通達」では、請負に関する契約書は課税文書(第2号文書)とされる一方、準委任型の契約書は原則として課税対象になりません。
完全成果報酬型テレアポ代行「ゲットリード」の契約の仕組み
営業代行の契約で発注側が不安を感じやすいのは、成果の定義のあいまいさと、成果が出る前から発生する固定費の2点です。
完全成果報酬型テレアポ代行「ゲットリード」は、この2つを契約の仕組みで解消しています。課金の対象はアポイントの獲得ではなく「商談の実施」。成果地点が具体的なため認識のずれが起こりにくく、商談につながらないアポイントに費用を支払う心配もありません。
成果が出るまで費用は発生しないため、固定費を先行させずに新規開拓を試せます。契約リスクを抑えて営業代行を始めたい企業は、まずは無料相談へお問い合わせください。
成果地点や契約条件の詳細は、以下のサービスページで確認できます。
▶完全成果報酬のテレアポ代行【ゲットリード】
まとめ|営業代行の契約形態は2つの対応で整理できる
営業代行の契約形態は雇用や派遣ではなく業務委託であり、営業スタッフへの指揮命令権は代行会社側にあります。業務委託の中身は、成果の完成に報酬を支払う請負と、活動の遂行に報酬を支払う準委任の2つです。成果報酬型は請負または成果完成型準委任、固定報酬型・複合型は履行割合型の準委任と、報酬形態はこの2つに対応しています。
契約前に業務範囲・報酬と成果の定義・契約期間と解約条件・秘密保持の4条項を確認しておけば、認識のずれによるトラブルを予防できます。特に、成果報酬型では成果地点の設定を、固定報酬型では最低契約期間を重点的に確認しておきたいところです。
契約の判断に迷ったときは「成果を買うか、活動を買うか」に立ち返れば、各社の条件を同じ物差しで比較できます。候補となる代行会社が決まったら、自社の商材で成果地点をどう設定できるかを確かめながら、契約交渉へ進んでみましょう。